欧州襲う「年金時限爆弾」

真野 栄治

2012年01月13日 11:17

欧州連合(EU)加盟国のうち19カ国の年金債務が2009年時点で公的債務の合計の約5倍に達することが、欧州中央銀行(ECB)が独フライブルク大学の研究センターに委託して行った調査で明らかになった。

  調査報告によれば、09年現在の人口に基づく年金債務は19カ国全体で約30兆ユーロ(約2940兆円)相当と推定され、このうちドイツは7兆6000億ユーロ、フランスは6兆7000億ユーロ相当とみられる。

  欧州の債務危機が深刻化する前の段階で、時限爆弾のように将来の負担としてのしかかってくる年金債務について人々は既に不安を抱いていた。ピーターソン国際経済研究所の研究員、ヤコブ・キルケゴール氏は電話インタビューで、「これは全く持続不可能な状況であり、改善の必要があるのは明らかだ」と警告した。

  ECBの報告によると、出生率が今後横ばいか低下して推移し、平均寿命が伸びると予想されることから圧力がさらに増し、退職者向けの給付が国内総生産(GDP)に占める割合は2060年までに14%に拡大する見通しだ。   


 マーシュ・アンド・マクレナンの中・東欧年金コンサルティング部門責任者、ファーガル・マクギネス氏(チューリヒ在勤)などのアナリストらは、ユーロ圏が一体的に存続するための包括的な対策には、定年の引き上げや給付の引き下げを盛り込まざるを得ないとの見方を示している。



 ちなみに、欧州は日本よりも出生率が高く、平均寿命も短いです

まさしく、日本の将来を映し出しているのがヨーロッパだと言えます

この動向は注視する必要があると思います

関連記事
コロナ対策会議と経済対策専門家に警戒せよ
経済を殺して、亡くなる命を少なくするか? 命を切り捨て、経済を殺さないか?
世界恐慌に備えよ
統一地方選 なり手不足深刻…地方自治の危機
おっしゃる通り、問題は教育
残業規制で日本は大不況に陥る
円高で個人破綻問題が数か月後社会問題化する?
Share to Facebook To tweet