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2012年12月11日

金融緩和でデフレは克服出来るか?

 昨日、テレビタックルで金融緩和でデフレは克服出来るのか?と言う議論やってました。

町工場のおじさん

肉屋の奥さん

ラーメン屋さん

農業法人の社長さん

などなど、経営者さんの声も聞きながら、おもしろい討論でした。


専門家として、

デフレの正体でおなじみの藻谷浩介氏

小泉改革の時のブレーンの一人の高橋洋一氏

がいろいろ解説する訳ですが、藻谷氏の発言はもっとも理論的で正しいでしょう


金融緩和をして金融機関が儲け、その儲けにより一般企業への融資余力が出で、その融資によりお金がまわり、商売が儲かり、雇用が増える

これは、実は絶対そうなると言う方程式ではなく、そうなる可能性が高くなると言う程度しかないのです


上記の流れの中で、

金融機関が儲けても過去の損失を埋めるだけに終わり、一般企業もリスクのない所にしか貸さない

一般企業が借りても、低利のものに借り換えるだけで投資はしない

一般企業は儲けても過去の損失を埋めるだけ、もしくはただ利益を溜め込むだけ

と言う現象が起こると全ての金融緩和はそこで終わるのです


そこで、需要不足を起こす政府の支出、景気対策も似た結果を生むのです

大手建設業者は上前だけ跳ねて、下請けに実務はやらせ、現場は孫請けがやるけどやっても全然儲からないので雇用は増やせない

資財の調達なども叩きまくっているので、資財会社も儲からないので雇用は増やせない

どこかの段階の業者は利益が出るが、過去の損失の穴埋めが起こるだけ


と言う現象です


小泉改革の時でも金融緩和で儲かったのは金融機関、金融資産の運用する個人、もしくは運用に預ける人々と言う結果で、こういうお金は基本再投資にまわる事が多く、一般企業や雇用の増加にはほとんど役に立たずに終わり、その後のリーマンショックでかなりの部分が消えなくなったと言う事が正しいと思います

あの時に皆さん思い出して欲しいのですが、後期高齢者医療と言う話しが出たと思いますが、実はこれは社会福祉政策ではなく、景気対策の意味も大きくあったのです

大金持ちのお年寄りから何十万という医療保険料を徴収する制度なのですから、あの時一番儲けていたのは金融資産を持ったお年寄りたちだったのです


それを、おばすて山だなどと批判してしまったのは誰でしょう?



さて、ここからは、今後の想定です

自民党がどれだけ勝つかはまだ未定ですが、自民党を中心として政権が生れるのは間違いないようですので、いままでより強い金融緩和論と需要不足を埋める公共工事が始まるでしょう

これは、やれる選択肢としてはこれ以外にはあまりない手段ですので、やる事は悪くないと言うか正しい所と言うか、出来る事は他には現状ない・・・

しかし、この対策は上記の理由により、金融機関や一部の産業企業の過去の損失の穴埋めで止まる

と言う可能性が非常に高く、やってもやっても全体にお金がまわらない

つまりは、国が必死に投資した割には税収は増えないと言う現象が数年続くでしょう

そして、また金融緩和も効いて来るのは、もう3年はかかるでしょう

と言うことで景気浮揚は都市が少しよくなりますが、地方は再疲弊し、消費税導入も簡単には出来ない状況が続く

結果、利益の再配分ではなく、不利益の国家集約と言う事だけが起きる可能性が高いと思われます


そして、来年の参議院選はまだいいとしても、2年後の全国地方選挙、3年後の参議院選挙では

今度は借金を増やしただけでちっとも景気は良くならないじゃないか!自民党批判が膨大し

反自民勢力がまた力を再起する時代が訪れる可能性が高いと私は見てます

このジレンマと政治サイクルからの脱却はかなり難度が高いものなのかもしれません・・・



これは、政治家が悪い部分もありますが、国民自身が悪い


『利権構造』と言う言葉があります

『民意の反映』と言う言葉があります

不利益を被るのがいやだと言うのが、民意の反映?

利益が欲しいと政党支援するのが、利権構造?


よくよく見れば、民意=より多くの利権集団の意見 ではないでしょうか?


この事からすると、民意に従えば、政治改革はよくなるどころかどんどん借金だけが増えるだけだと感じるのは私だけでしょうか?

これが、民主主義の限界なのかもしれません(--;)(--;)
  
Posted by 真野 栄治 at 09:41Comments(0)政治に一言